ここまで見てきましたが、詐欺師でもない一般の多重債務者が新たに借入する為に養子縁組や偽装婚姻をしても、面倒が多くてメリットはあまり感じられません。
しかし、4~5年前までは養子縁組で姓を変えて新たに借入を行う方法は通用していたようです。
北海道警が2006年1月~2006年9月までに、養子縁組を繰り返して名字を変え、金融会社や住宅金融公庫から融資金をだましとったとして暴力団関係者55人を逮捕しました。
マンション販売会社と暴力団がグルになり、養子縁組で姓を変えた多重債務者に住宅金融公庫から融資を受けさせ、融資金1億6000万円を騙し取った疑いで14人。
同様に東京の金融会社から個人向けの事業融資系約3800万円を騙し取った疑いで41人逮捕。
いずれも養子役には多重債務者を選び「養子縁組をすれば借金は帳消しになる」と誘い、養父には借金や前科がないクリアな人間を探していました。
養子縁組の手数料は一回につき2万~3万で短期間に8回も繰り返した人もいました。
ここまでくると明らかな犯罪で、詐欺罪と恐らく公正証書原本不実記載での検挙でしょうか。
組織として役割を分担した大掛かりな詐欺ですが、今は金融会社もガードが固くなりなかなか難しいようで、姓を変えて金融機関から融資を引き出す行為から、携帯白ロムや銀行口座の開設に悪用されているようです。