自己破産、生活苦からの偽装離婚の蔓延
偽装離婚が多いことは以前の記事でも書きました。
現実にパンダの周りだけでも数件の偽装離婚がありましたから、世の中で考えると相当な件数の借金が原因の自己破産、偽装離婚、生活保護、児童扶養手当の不当な受給があると思います。
ただ、偽装離婚での不当な経済的利益を得るこの方法ですが、お役所的には相当に事件にするのは難しいらしく、野放しになっているのが事実です。
所得を隠して生活保護を不当に受給する件に関して言うと、役所が本腰を入れて所得を調べると不正受給かどうかが把握できますので、こちらは逮捕されているニュースをよく耳にします。
ですが、仮に偽装離婚して奥さんが子供を育てながらパート収入しかなく生活保護の受給要件を満たしていれば、生活保護も児童扶養手当の受給もなんら法的に問題はありません。
実際に離婚届を役所に提出して離婚は正式に成立しているからです。
厳密に言うと公正証書原本不実記載等の罪になりますが、偽装離婚かどうかということを証明することが非常に難しいからです。
ただ、目立ったり恨まれたりしてある程度の証拠を元に役所に密告すると、自治体によってはきちんと対応するようです。
2009.02.03
離婚したように装い児童扶養手当をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、指定暴力団工藤会系組幹部、小田尊嗣容疑者(39)=北九州市小倉南区=と元妻でスナック経営、小田裕子容疑者(39)=同市八幡東区=を逮捕した。
ともに容疑を否認している。
調べでは、2人は離婚届を提出した後も同居を続けており、母子家庭に支給される児童扶養手当の受給資格がないのに、
平成14年8月~20年8月の間、同居する子供3人分の計約369万円を、福岡県と北九州市からだまし取った疑い。受け取った手当は生活費に充てていたとみられる。
ただ、これパンダの近所の人みたいに同居せず偽装離婚して、せっせと奥さん(元)のところに通っていれば、事件になってないような気がしますね。
偽装離婚のメリット
これだけ蔓延している偽装離婚ですが、もちろんリスクよりメリットの方が多くないと割に合いません。
偽装離婚だけのリスクと言いますと、この記事でも書きましたが、公正証書原本不実記載等の罪になりますが、前述のとおり中々事件にはなりません。
ですので、実際のところあまり大きなリスクとは言えませんね。
上記のスナック経営者が捕まった件は、よっぽどケースワーカーの目に付いたか、暴力団員だからかもしれません。
パンダの近所の人たちも密告はあったと思われますが、事件にもなっていませんし、生活保護などの打ち切りもなかったです。
逆にメリットとしては
・生活保護や児童扶養手当(母子手当)の受給が受けやすくなる
離婚し夫婦それぞれの収入が世帯収入として合算されなくなると、それぞれ個人の収入を元に生活保護の判断がなされる為、生活保護の許可を受けやすくなります。
また他の公的な保護や、子供さんがいればシングルマザーだと判断され母子家庭手当ての受給が可能となるのです。
妻や子供の生活費や養育費がかからず、病院の治療費もかからない、旦那さんの儲けは自分の生活費を除けば、生活再建の為だけに使えるとなると、偽装離婚して妻子には生活保護で生活させる方法が蔓延するのも理解できます。
これはなにかもうちょっと厳しい制度を作らないと、この偽装離婚問題はなくならないでしょうね。