銀行ローン返済不能、from 借金転落パンダ

銀行ローン残金732万円。事業資金で借入した1,000万円が返済不能、破綻しました。


お金を借りるということ

「クレジットカード、ショッピング枠を現金化」の怖さ

投稿日:2016年12月26日 更新日:

「クレジットカード、ショッピング枠の現金化」のとんでもない利息

クレジットカード、ショッピング枠の現金化とは

インターネットの広告で「クレジットカードのショッピング枠現金化」の文字を目にする機会が増えています。

では「クレジットカードのショッピング枠現金化」とはどんな仕組みでしょうか。

通常クレジットカードには「クレジット機能」と「キャッシング機能」の2つの与信枠があります。

「クレジット機能」は購入した商品代金を一括払いや、分割払い、リボ払い等の支払い方法で、あらかじめ決められた決済日に支払うことができる機能です。

「キャッシング機能」は現金を借り入れできる機能です。

「ショッピング枠」とはクレジットカード機能で利用できる限度枠のことで、本来の目的として商品購入を対象としていますので現金化することはできません。

「ショッピング枠の現金化」業者は、利用者にショッピング枠で商品を購入させ、その商品を業者が買い取ったりキャッシュバックを行うことで、利用者に現金を渡しています。

利用者からするとカードのショッピング枠が現金になって手元に残るという仕組みです。

ですが、当然ながら利用者はカードで商品を購入しているので、その分の支払いはクレジットカード会社に行わなければいけませんので、実際のところは借金しているだけの話です。

「ショッピング枠の現金化」業者はキャッシュバックや商品購入をして現金を渡す際に手数料を取ります。

この手数料が業者の儲けになりますが、利用者からすると実質的には「利息」になります。

もちろん銀行ローンなどの低利なローンと比べるまでも無く、とんでもない高利であることに驚かされます。

「クレジットカード、ショッピング枠の現金化」のとんでもない利息

あるインターネット業者のHPではこのキャッシュバック率(手数料を引いて利用者に渡す率)は80~86%と記載されています。

利用者は100万円のショッピング枠を利用して商品(ほとんど価値のない)を購入し、業者から80万~86万円の振込みを受けます。

通常クレジットカードは月に1度の締め日を設け、一月分の利用額を最長2ヶ月程度後の決済日に銀行口座から引き落としをします。

「ショッピング枠の現金化」で100万円を使い80万円のキャッシュバックを受けたとすると、2ヵ月後には100万円を返済しなければいけません。

これは80万円のキャッシュバック(借金)に対して2ヶ月で20万円もの手数料(利息)を払っていることになります。

勘違いするのは100万円に対して20万円の利息と思ってしまうところでしょう。

実際に手元に入るのは手数料を引かれた80万円で、2ヵ月後には80万円を100万円にして返済しなければいけないということです。

これはなんと、年率に直すと驚きの150%もの高利になります。

年率150%というと100万円借金があって、一年分割で100万円を返済しても元金が減らないどころか逆に借金が増えている程の恐ろしい金利です。

これがカードの利用日から引き落とし日まで1ヶ月しかないとすると、なんと年率300%にもなります。

改正貸金業法で上限金利が最高20%に引き下げが行われましたが、20%なんて可愛く思えるほどの暴利といえます。

ちなみに業者からすると利息を取っているのではなく「手数料」を貰っているだけなので、利息制限法の適用外で違法行為ではありません。

年率29.2%の上限金利でさえも多重債務が社会問題となり貸金業法が改正される程なのに、年率150%もの借金を繰り返しているなんて破滅への一歩を踏み出していると言えるでしょう。

しかも、これはカード会社への返済を一括返済で考えていますが、これをリボ払いや分割払いにするとその分利息が上乗せされることになります。

なんとも恐ろしい話です。
また、最近では「クレジットカード現金化」にをめぐるトラブルが多数消費者センター等に報告されています。

「クレジット枠の現金化」にまつわるトラブル

以下、国民生活センターからの引用です。

とんでもない手数料を取られたケース:千葉県 40歳代 男性

急に現金が必要になり「担保・保証人不要、即日融資、低収入でも融資可能」との広告を見て店に行った。

業者に「クレジットカードで指示する商品を購入すれば買い取る」と言われ、電器店に行きパソコンや液晶テレビなど70万円分を購入したが、40万円でしか買い取ってもらえなかった。

 

勝手にカードを使われたケース:高知県 20歳代 男性

携帯サイトで「ショッピング枠現金化」の広告を見て申し込んだ。

業者に5万円が必要と伝えると6万7000円のカード決済が必要と言われ、カード番号やカードの有効期限を教えた。

その後に身分証明書やカードの写真を写メールで送れといわれたが、説明を受けていなかったのでキャンセルしたいと伝えたら文句を言われたので電話を切った。
翌日カード会社に確認したらカードが使われていた。

 

個人情報を売られたケース:東京都 30歳代 男性

街の看板で「ショッピング枠現金化」の広告を見て店舗に行き、氏名や住所、連絡先を記入して申し込んだ。

指定する区間の新幹線の回数券をクレジットカードで購入し、持参すると80%で買い取るとのことだったが、 近くの金券ショップで同じ区間の回数券の買取価格が95%以上だったのでキャンセルすると、ヤミ金からのDMや電話がかかるようになった。

 

クレジットカードを解約されたケース:大阪府 30歳代 女性

インターネットで「クレジット枠現金化」の広告をみて申し込み、ショッピング枠を使い20万円の現金化を行ったが、クレジットカード会社から電話があり換金行為にあたるとのことでカードを停止された。

返済のみになったが返済のための借金が出来なくなったので、カードの返済が出来なくなり延滞。カードを解約された。

 

クレジットカードを勝手に利用されていたり、キャッシュバックもなく連絡が取れなくなったりする明らかな詐欺もあります。

明らかな詐欺はもちろん違法ですが、率はどうあれキャッシュバックをして現金を利用者に渡す業者の行為は合法で、なんら罪に問われることはありません。

恐らく近いうちに規制が入ると思われますが、現在ではなんの問題もありません。

切羽詰った状態では冷静な判断が出来ないのが人間の性ですが、それに付け込む業者にはある種の胡散臭さを感じます。

業者の行為は合法ですが、利用者であるあなたが詐欺罪(刑法第246 条)等に抵触する可能性があるとしたらどう思いますか?

 

「クレジット枠の現金化」はクレジットカード規約違反

パンダが持っているポケットカードのファミマTカードの会員規約を調べてみました。

第5章 一般条項

第31条(期限の利益の損失)
1.会員は以下に定めるいずれかの事由に当たる場合、当然に期限の利益を失い、当社に対する未払い債務の全額を直ちに支払うものとします。

(2)商品の購入が会員にとって商行為となる場合で、弁済金を1回でも遅延したとき。
(3)換金目的によるショッピングをするなどカードの利用状況が適当でないとき。
(5)カードを第三者に貸与、譲渡、質入、または担保提供などし、もしくは商品の質入、譲渡、または賃貸など、当社のカードの所有権または商品の所有権を侵害する行為をしたとき。

第32条(会員資格の喪失など)
1.当社は、会員が以下に定めるいずれかの事由にあたる場合、通知により会員資格を喪失させることができます。

(5)換金を目的とした商品購入の疑いなど、会員のカードの利用状況が適当でないまたは不審であると当社が判断したとき。

関係ある箇所を抜粋しました。

第31条(期限の利益の損失)
(2)商品の購入が会員にとって商行為となる場合で、弁済金を1回でも遅延したとき。

「ショッピング枠現金化」業者を利用する場合ではあまり関係ないですが、例えばゲームソフトをカードで購入しネットオークションで転売する転売屋や、 自営業者が商売の為の仕入れをクレジットカードで行い、その支払いをリボ払いで行っていたが一回でも遅延した場合です。

商品をカードで購入しオークションで転売する現金化の方法が流行っているようですが、もともと個人用のクレジットカードは仕入れなどの商行為に使用することができません。

(3)換金目的によるショッピングをするなどカードの利用状況が適当でないとき。

「ショッピング枠を現金化」、そのものずばりです。

クレジット枠はショッピングに使うのが正しい使い方で、お金を借りるならキャッシング枠を利用しろということです。

「ショッピング枠を現金化」業者を利用する消費者は、ほぼキャッシング枠を使い切った天井張り付きで自転車操業状態です。

規約を違反すると一括返済、カード召し上げも有り得ますので、換金目的でカードを利用し始めた時点で既に破滅へのリーチがかかっていると言えるでしょう。

延命するつもりで換金目的でショッピングしたが、カードを召し上げられて一括返済を求められたら債務整理しか道はありません。

(5)カードを第三者に貸与、譲渡、質入、または担保提供などし、もしくは商品の質入、譲渡、または賃貸など、当社のカードの所有権または商品の所有権を侵害する行為をしたとき。

クレジットカードで購入した商品は、商品を購入した時点で所有権はクレジットカード会社に移転し、利用者が支払い代金を完済するまでクレジットカード会社に留保されます。

販売店でクレジットカードで商品代金を決済し手元に商品を受け取っても、代金の支払いが済むまではあなたのものではないのです。

買取屋による「ショッピング枠の現金化」は、消費者が指定された商品をクレジットカードを使い購入し買取屋に販売する形ですから、クレジットカード会社の持ち物を勝手に消費者が転売していることになります。

第32条(会員資格の喪失など)
1.当社は、会員が以下に定めるいずれかの事由にあたる場合、通知により会員資格を喪失させることができます。

(5)換金を目的とした商品購入の疑いなど、会員のカードの利用状況が適当でないまたは不審であると当社が判断したとき。

換金行為が発覚するとカードを召し上げられ、さらに一括で未払い債務の全額を請求されます。

こうなるともう完全フィニッシュですね。

換金行為の禁止はここまでバッチリ規約で謳ってあります。

それでもあえて換金行為を行うのですから、カード解約一括返済になっても文句の一つも言えませんね。

「知らなかった」で済むことではありません。

 

「クレジット枠の現金化」を利用すると詐欺罪に問われる恐れあり

実際に利用者が詐欺罪(刑法第246 条)で捕まったとは聞いたことがありませんが、不正な利用方法であることを知りながら「クレジットカード現金化」を利用した場合、詐欺罪に問われてもおかしくはありません。

詐欺罪(刑法第246 条)

  1. 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
  2. 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

換金目的なのに通常のショッピングであると欺いて商品代金をクレジットカード会社に出させています。

厳密に言うとこうなるのでしょうが、延滞無く商品代金を返済していれば詐欺罪は適用されないらしいです。

しかし、債務返済の義務を「故意に放棄した場合」は詐欺罪に問われる恐れがあります。

グレーな行為ですね。

利用しない方が無難です。

 

クレジット枠の現金化」業者の甘い宣伝文句

消費者金融やキャッシングで借りるよりも有利

改正貸金業法施行前で上限金利が29.2%、施行後20.0%に対して、年率150%以上という暴利のどこが消費者金融やキャッシングで借りるよりも有利なのでしょうか?

還元率98.5%などと謳っている業者もありますが100%嘘です。

クレジットカードで決済をさせ現金化をする業者(クレジットカード加盟店)は、VISAやマスター、アメリカンエキスプレスなどのカード会社に決済額の5%程度の手数料を払う仕組みになっています。

残った95%の金額から業者の利益、経費などを引いた金額をキャッシュバックとして、利用者に渡すので98.5%なんて還元していると業者が損をします。

仮に業者が儲けも何もなしの95%の還元率で現金化を行ったとしても、95万円のお金をカードの決済期間上MAX2ヶ月で100万円にして返さないといけない訳ですから、95万に対して一ヵ月に2万5千円の利息が付きます。

これを年率に換算すると31.5%になります。

カードの決済期間を1ヶ月で考えると、なんと年率63%もの計算になります。

95%の還元率でさえ年率に換算すると改正貸金業法施行前の上限金利、29.2%を上回っています。

しかもこの支払いをリボ払いなんかにすると、とんでもない利息になります。

騙されてはいけません、絶対に消費者金融やキャッシングで借りるほうがお得です。

当社の「ショッピング枠 現金化サービス」は不当景品類及び不当表示防止法を遵守した合法的なサービスです。

景品表示法に該当するかどうかの問題以前に、「クレジットカード現金化」はクレジットカード契約に違反する取引です。

利用して損をするのは一方的に利用者です。

当社は通信販売業者(キャッシュバック付き商品の販売)であり、貸金業者ではありません。

貸金業者はしっかりした貸金業法という法律のもとで商行為をおこなっていますが、「ショッピング枠 現金化サービス」を取り締まる法律は今のところありません。

消費者が騙されても消費者自身に規約違反や詐欺罪の恐れがあるので、泣き寝入りすることになってしまいます。

当社は公安委員会認可店ですので安心して取引できます。

この表示は都道府県公安委員会が古物商としての「古物商許可」を与えているものに過ぎませんし、中には許可番号そのものを偽っている業者もいます。

利用者を信用させるためだけの全く意味の無い宣伝文句です。

 

「クレジット枠現金化」利用者の行く末

高確率で支払い困難になり、債務整理の道を辿ります。

そもそもキャッシング枠が限度額一杯の天井張り付き状態で、消費者金融等からも融資を受けることができない、 言ってみれば「返済不能状態」にリーチがかかっている消費者が利用するケースが多いので、破綻する確率は非常に高いです。

借金を返済するためにさらに悪い条件で借金するという、全く未来の無い行為をしていると言ってもいいでしょう。

利用者は目先の返済を行うためになりふり構う精神的余裕がないのでしょうが、年率換算すると100%を優に超えるような借金を繰り返し行っている時点で、 もう経済的には終わっています。

利用者は一発逆転があっていつかは復活できると信じてこういう行為をしているかも知れませんが、 冷静になって一度誰かに相談することをお勧めします。

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プロフィール



転落パンダと言います。
法人成りしてわずか1年半で破綻して、おまけに銀行ローンだけが残ってしまいました。
この早すぎる展開に正直戸惑っています。

なんとも情けない話ですが、再起を目指して頑張って行こうと思っています。

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