カードローンの申し込みをして審査が通らずに悔しい思いをしたことがありませんか?
氏名、住所、年齢、勤務先、年収等個人情報をさらけ出した挙句に、「今回は残念ながら・・・」と言われると自分のすべてを否定されたような気持ちになります。
50万円借りるつもりで申し込みをしたが、実際借りれたのは20万円だった。
カードローンの審査は通ったが、申し込みをしたカードローンの限度額が300万円なのに自分は100万円の限度額しかもらえなかった。
など、カードローンの審査には借入する消費者からすると何を根拠に自分が与信されているかよくわからないのが実情です。
消費者金融A社では、20万の枠をもらえたが、B社では50万円だった、さらにはC社では70万円だったと、貸金会社で枠がまったく違うことはざらにあることです。
これはなにもカードローンに限った話ではなく、クレジットカードでも同じようなことを経験された方も多いと思います。
クレジットカードによってキャッシング枠が30万円であったり、50万円であったりとカード会社によって与信の枠はまったく違います。
こういった与信の違いは各金融会社がこれまでに培ってきたノウハウから、顧客を様々な属性からスコアリング(点数)する方法が違うことが理由になります。
このスコアリングのことを、与信スコアリング、クレジットスコアリング、属性スコアリングなどと呼び、各金融会社から門外不出のブラックボックス情報となっています。
スコアリングとは
インターネットからでも店頭からでも、カードローンの申し込みをする際に記入しなければいけない情報は、大体どの会社も同じような項目です。
本人の住所、氏名、勤め先等の情報
- 氏名(ふりがな、旧姓があるか?)
- 生年月日
- 性別
- 住所
- 電話番号
- 住居種類(自己所有持ち家、家族所有持ち家、賃貸)
- 入居年月
- 家賃・住宅ローンの額
- 独身 既婚
- 同一家計の人数
- 勤め先の情報
- 雇用形態(公務員、会社員、自営業、派遣社員、契約社員、パート等)
- 勤続年数
- 収入
- 職種
- 保険証の種類(社会保険、組合保険、共済保険、国民健康保険他)
- 保険証の区分(本人、被扶養者配偶者、被扶養者配偶者以外)
金融会社によって違いはあるものの、大体、上記の項目を申込用紙に記入させられます。
この記入させられる項目の組み合わせによって金融会社はスコアリングを行います。
例えば、
- 「自己所有持ち家」「既婚」「公務員」
- 「賃貸」「未婚」「パート」
の2人であれば、1.「自己所有持ち家」「既婚」「公務員」の方の方が属性スコアが高くなり、借入をしやすくなります。
保険証の種類だけで見れば、「共済保険」 > 「国民健康保険」になります。
こういった項目をただ加算減算するだけではなく、上記の項目の要素の組み合わせによって計算された点数(スコア)をスコアリングといいます。
ある金融会社は上記項目の要素の組み合わせを元に5桁のスコアリング(点数)付けを、各項目ごとに加算減算とAND、OR、NOR方式を組み合わせた計算方法行って与信スコアリングを行っていました。
非常にややこしい計算方法をとっていましたが、これこそがその金融会社のこれまでのノウハウそのものといっていいものでしょう。
詳細に説明するととんでもなく長文、解り辛くなるのでスコアリングの方法も簡単に説明します。
例えば、
自己所有持ち家 | 12000 |
家族所有持ち家 | 11000 |
賃貸 | 10000 |
独身 | 00050 |
既婚 | 00070 |
社会保険 | 00500 |
組合保険 | 00500 |
共済保険 | 00600 |
国民健康保険 | 00200 |
年収 1,000以上 | 05000 |
750~1,000万未満 | 04000 |
500~750万未満 | 03000 |
250~500万未満 | 02500 |
250万未満 | 01000 |
各金融会社は上記のように各項目のスコアテーブルを持っており、それによって計算を行っています。
※以下は例としてスコアリング計算方式を単純に加算のみにしています。
- 「自己所有持ち家」「既婚」「共済保険」「250~500万未満」
- 「賃貸」「独身」「社会保険」「500~750万未満」
- 「家族所有持ち家」「独身」「国民健康保険」「250万未満」
上記のスコアリングはそれぞれ
- 12000+00070+00600+02500=15170
- 10000+00050+00500+03000=13550
- 11000+00050+00200+01000=12250
となり
1.の「自己所有持ち家」「既婚」「共済保険(公務員)」「250~500万未満」の方が一番スコアリングが高いという形になります。
上記の属性スコアリングは一例ですが、実際の与信は属性スコアリングだけでは決まらず、他社借入件数や他社借入金額、事故歴等の個人信用情報も大きく関係してきます。
個人信用情報の照会から与信
持ち家であるか、ないか?
独身であるか、既婚か?
社会保険の種類、年収、職業は?
という、個人の属性にスコアリングを行った次に金融機関が行うのは個人信用情報の照会です。
上記の属性とは別に必ず聞かれる項目が
- 現在の他社借入件数
- 現在の他社借入金額
になります。
そして、金融会社は氏名、住所、電話番号、勤務先等の情報を元に個人信用情報の開示を行います。
個人信用情報の開示 参照!
個人信用情報の開示をすると過去の事故歴、現在の借入金額、件数、返済状況、現在の他社の与信枠等、クレジット情報はすべて開示できます。
また、結婚や養子縁組をして苗字が変わっていても身分証明書として運転免許証を提出すると運転免許証番号で過去の名前での信用情報と紐づけできますので、事故情報や借入履歴は金融会社の知るところとなります。
金融会社は属性のスコアリングとこの個人信用情報の開示結果によって与信を行うことになります。
不審な点がない信用情報であり、属性のスコアリング値がある程度あれば金融会社も喜んで貸し出しするでしょう。
不審な点がない信用情報というのは、完全なホワイトでなく事故歴のあるブラックでもない、クレジットカードなどを日常生活で問題なく使用しているような状態です。
これが、他社借入があったり事故歴があると金融会社により対応が大きく変わってきます。
銀行カードローンに総量規制の枠は関係ありませんが、消費者金融などの場合、年収が300万円なのに100万円を超える借入がある場合、総量規制により年収の3分の1以上の借入はできませんので、この時点で審査は通らないことになります。
また、現在借入件数が2件を超える多重債務である場合、金融会社の判断によりますが審査落ちもしくは、貸し倒れのリスクを考え与信限度額を低めにし金利を引き上げて貸し出す場合もあります。
借入状況を見て金融会社が、A社の借入を今回お貸しするお金で返済するのであれば、融資は可能ですと申込者に提案する場合もあります。
借入審査の際に注意すること
嘘をつかない。
個人信用情報の開示を行うと申込者の金融履歴は金融会社の知るところとなります。
ここで一番やってはいけないことは嘘をつくことです。
他社借入件数が3件あるのに2件しかない。
200万円の借入があるが、100万円しかない。
など、嘘をついても金融会社は信用情報で正しい情報が把握できますので、嘘が一発でバレます。
嘘をついていることがばれると、この申込者は信用できないと判断され審査が通りにくくなるのは当然のことです。
無理な借入ではないか?自分で一度考えよう
・年収が税込み300万円、借入が100万円。
現在カードのリボ払いが別にあって、月の返済が合計10万円を超えている。
・他社の返済が滞りそうなので、新規に別の業者から借入てそのお金を返済に充てよう。
・いわゆる自転車をこいでいる状態で、新たに借り入れないと自転車が焦げなくなっている。
上記のような方は新たな借入を申し込む前に一度よく自分の状況を考えてみましょう。
無理して借金に追い回されるより、債務整理などで解決できる方法があるかもしれません。
この日本では借金の解決方法はしっかりと法で確立されています。
短期間に集中して申込をしない
個人信用情報には借入を申し込んだ事実も記載されます。
これは融資を受けようが、受けまいが、審査に通ろうが落ちようが申し込んだ日時が掲載されます。
申込情報が短期間に何件も集中してあると、お金に切羽詰まっていることが丸わかりですので、審査も非常に厳しくなります。
クレジットカードだと1ヶ月に3件申し込むと4件目から審査が厳しくなると言われています。
申込情報は6か月信用情報機関に残りますので、何件申し込んでも審査が通らなくなったら6か月喪に服しましょう。
ただ、1日で集中して消費者金融を何件も回った場合、各金融会社から信用情報機関への登録手続きのズレが起こりますので、思った以上のお金を借りることができたと聞いたことがあります。
前もって金融会社の情報をネットで調べましょう
今は便利なもので、インターネットで検索すると消費者金融A社では借入〇件、金額○○円あっても審査合格したが、B社ではダメだった。
なんて情報が掲示板等に載っています。
すべてを丸ごと信用するのはどうかと思いますが、参考程度にはなるかと思います。
自身の借入状況、属性を考えてここなら話は聞いてくれるか?等のある程度の判断材料にはなるでしょう。
最後に、一番良いのは借り入れをしないことですが・・・
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