「 クレジットスコア 」が日本にも
クレジットカード会社や金融機関が借入申込み時にCICやKSC、JICCなどの信用情報機関へ個人信用情報を照会し、与信判断材料としているのはご存知だと思います。
この個人信用情報が就職や賃貸住宅入居審査、果ては結婚する際にも使われる時代が来るとしたらあなたはどう思いますか?
ネガティブ情報を持つ個人は就職すら出来ず、評価が低い人間にはリボ払いの金利やローンの金利が高くなり、賃貸住宅すら借りられない・・・
交際相手が結婚に適するかどうか?を個人情報で判断する・・・
実はこれ「クレジットスコア」といい、実際にアメリカでは20年も前から様々な生活場面での判断材料として使われています。
日本にも近いうちにこの「クレジットスコア」が導入され、収入や資産とは別の個人の格付け(階級)として使われる恐れが非常に高くなっています。
「クレジットスコア」とは?
簡単にいうと「クレジットスコア」とは個人の信用評価点です。
クレジットカード、消費者ローン、住宅ローンの利用履歴や返済状況、携帯電話、公共料金、家賃等の支払い履歴等(クレジットヒストリー)を元に独自の計算方法ではじき出された点数です。
アメリカの場合は3つの個人信用情報機関(クレジットビューロー)があり、独自の計算方式でクレジットスコアを算出しますが、計算方式の基本になっているのはフェアアイザック社のFICOスコアといわれています。
これはクレジットヒストリーを元とした計算結果により300点から850点のスコアで個人を評価しています。
この300点から850点のクレジットスコアが高ければ信用力が高いと見られ、住宅ローンの金利が低くなったり就職にも有利になりますが、 クレジットスコアが低ければ信用力がないと判断され、生活していく様々な場面で不利な条件を飲まざるを得ません。
このクレジットスコアの算出方法は公開されてなく、個人属性やクレジットヒストリーのどの要素がどれだけのウェイトを持つかはわかりません。
大まかな目安でいうと借金の額が増えたり、延滞記録があるなど返済状況が悪いほどクレジットスコアが低くなり、収入や資産が増えると高くなるといわれています。
このクレジットスコアの曲者なところは、現在の状況だけでなく長年に渡って積み上げられるクレジットヒストリー(履歴)もスコアに反映される為、低いスコアを短期間に劇的に高くすることが困難であるということです。
現在の状況だけでなく個人の歴史をも点数として評価していると言えるでしょう。
逆に言うとクレジットスコアを利用する立場からは過去の事故なども考慮した公正なスコアなので、見た目の印象などの根拠のない主観的なフィーリングなどにとらわれる必要はなく、人物判断には非常に重宝すると思われます。
「クレジットスコア」が低いとどうなる?
「クレジットスコア」が低いということは、一言で言うとその人に信用力がないということです。
金融事故を起こす可能性があるローン申込者にはリスクに応じた金利(高い金利)で貸し出すのが当たり前ですし、払えるかどうかも解らない家賃の賃貸住宅を貸すはずもありません。
住宅ローンなども「クレジットスコア」が低ければその分金利が高くなるので、「クレジットスコア」が高い人と比べ総支払額に大きな差がつきます。
住宅ローンやカードのリボ払いなど、生涯で支払う利子を考えると、スコアの高い人と低い人で3000万円もの差がつくともいわれています。
3000万円の差というと結構大きいですね。
また、就職の判断材料として「クレジットカードスコア」が利用されるとなれば、当然スコアが高い方が有利になります。
現在の日本では就職や賃貸住宅の申込み時にクレヒスが照会されることはありませんが、これが一元化されたスコアを照会できるようになると考えるとぞっとしますね。
これが意味するところは一度「クレジットスコア」が低くなると、住居や就職、お金の借入、果ては結婚など、ありとあらゆる場面で不利な条件を受け入れざるを得ないので、低い状態から這い上がるのが非常に困難だということです。
日本で「クレジットスコア」は導入されるのか?
経済アナリストである某氏のコラムで知りましたが、
「大型バイクの高速道路二人乗り解禁」
「郵政民営化」
「コンビニでの医薬品販売解禁」
「時価会計制度の導入」
「法科大学院設立」
「製造業への派遣労働の解禁」
これらは最近日本で導入されたものですが、これの共通点が米国政府が日本に求めた「年次改革要望書」に記されていた内容であるということです。
1993年から毎年この要望書が建前上は「交わされている」のですが、これが一方的に日本に突きつけられる「指令書」というのは周知の事実で、 小泉元首相が音頭を取ったと思われている郵政民営化も実は米国からの命令であったのが明らかになりました。
これがことごとくアメリカの国益にかなう内容になっており、郵政民営化なんかは「三兆ドル」の郵便貯金と簡易保険を狙った米政府の要求がミエミエ。
これを見ると日本はアメリカの植民地ですね、情けないことに。
そして驚くなかれ、なんと2009年の「年次改革要望書」に日本でも「クレジットスコア」を導入しろという内容がはっきりと記されています。
そうです、「クレジットスコア」導入は米国政府の要望という名の、実は命令なのです。
狙いはズバリ、日本の膨大な個人資産です。
既に米国では実績のあるクレジットスコアを日本に導入させることによって、外資系金融機関が日本の金融市場へ参入し易くさせる狙いがあるようです。
郵便貯金と簡易保険の次は日本の個人資産ですか。
日本は相当いいカモだと思われているみたいですね。
また、「クレジットスコア」を導入するに当たって一番の幹の部分である信用情報機関の整備ですが、既に指定信用情報機関制度が導入され、指定信用情報機関が設立されています。
設立といっても新たに設立された訳ではなく、既存の情報機関が内閣総理大臣からの指定を受けたわけですが、現在(株)日本信用情報機構(JICC)と(株)シー・アイ・シーが指定を受けています。
これにより、貸金業者が借り手の総借入残高を「指定された信用情報機関」で把握できる仕組みが整備されました。
どうですか?
着々と「クレジットスコア」導入へ準備が進んでいると思いませんか?
「クレジットスコア」の導入に思うところ
「クレジットスコア」が導入されれば、現在問題になっている格差社会など足元にも及ばないような格差社会を招いてしまうかもしれません。
事情によって住所不定になってしまった人が住所がないことが理由で就職できない。
派遣社員で過ごしてきた人が派遣切りに遭ったが、スキルが身についていないので派遣社員や臨時雇いでしか働くことができない。
高年齢でリストラに遭ったら生きていく為の仕事すら探すのが困難。
現在の日本でも一度躓くと再起を図るのが非常に困難になりつつありますが、「クレジットスコア」が導入されると一度の躓きが就職だけでなく生活全てに影響してくる恐れもあります。
就職しようにも「クレジットスコア」そのものが高くならないと就職もままならず、一時的にお金を借りようとしてもスコアが低ければ不可能。
スコアが低い人がローンで家を買うと、スコアが高い人に比べて多くの支払いをしなければいけない。
事情によって住宅ローンが払えなくなって焦げ付いたら、民間のアパートすら借りることができなくなって住むところに困る。
果てはレンタルDVD店に「クレジットスコア」が導入されて、レンタルDVDすら借りられない日が来るかも知れません。
反面、スコアが高ければ低金利で融資を受けることができ、その他のハンディを背負うこともありません。
富めるものが得をして貧するものが損をする。
金融資本主義の考えそのものと言えるのかも知れませんが、小泉元首相の推し進めた構造改革によって格差社会が進んだ今、更なる格差社会の到来を考えるとなんだか悲しくなります。
また、過去の履歴も点数に含まれる「クレジットスコア」を一度落とすと、元に戻すまでにある程度の時間がかかりますので、「クレジットスコア」を落とさないよう意識して生活しなければいけなくなります。
内申書を気にする学生の様にビクビクしながら「クレジットスコア」を意識して生きるなんて、まっぴらゴメンですね。